4次元のテレコネクション

対流圏科学研究分野 青木 優佳

 

Introduction

地球上の遠く隔たった場所で、気象の変数が有意な同時相関を持つことをテレコネクションといい、大規模大気循環の変動には、いくつかのテレコネクションパターンがあることが知られている。これらのテレコネクションパターンは異常気象に密接に関係しているなどの点で非常に重要である。

しかしながら、これまでの研究では、ほとんどが2次元的にしか議論されてこなかった。また、対象とする領域も特定のものが多かった。

そこで、本研究では対象地域を特定せず、地表から成層圏下部までの領域における3次元的な相関を調査することを目的としている。また、lag相関を用い、4次元的な相関についても調査する。時間軸方向を含めることによって長期予測の可能性を探ることにつながると考えられる。

Data

 以下の2種類のデータを用いた。

    ・NCEP/NCAR 再解析データ (月平均 , 2.5°格子): 1958年〜2003

      (海面気圧(SLP)データ, ジオポテンシャル高度(HGT)データ)

・気象庁月平均気温データ: 1961年〜2003

Result

 (a)                                (b)                                   (c)

 

 

                                                                           

 

 

 

 

)基点(65N,40W)50Pa面との相関図(a)lag0,(b)lag1,(c)lag2(陰影部分は99%で有意な値)

 

まず、日本の平均気温を基点として、SLPデータとの相関を計算した。SLPデータとの相関では、冬季にはアジア大陸に負の相関が、太平洋上に正の相関が見られ、西高東低の冬型の気圧配置を弱めることと対応していることが分かった。次に時間軸方向を含め、1ヶ月前(lag1)2ヶ月前(lag2)の相関を計算した。太平洋上の正の相関とはlag2ですでに見られており、長期予測の可能性のあることが分かった。

このような長期予測可能性のある点をさらに世界的に詳しく調べるために基点を経度10°ごと、緯度5°ごとにとって調査した。 基点を500Pa面に固定し、500Pa(対流圏中層)50Pa(成層圏下部)との相関を求めた。lag0ではすでに知られているパターンが見られ、中にはlag2でも有意なパターンが見られるものもあった。上図はその結果の一例である。今回の解析では、これまでみられなかったパターンも確認された。今後、対象領域を増やし、より詳しく調査していく予定である。