アメダスデータ解析による気温と降水量の統計的推測

氏名: 山本 昇治
指導教官: 守田 治


 近年、集中豪雨など、極端な気象現象は、大きい災害をもたらすために社会 的に重大な影響を及ぼし、その動向に関心が寄せられている。特に近年におい て、極端な気象現象が多くなったと感じられることが多い。 そこで、極端な気象現象の長期変化傾向と、グローバルスケールの気候変動の 関連について、全国で観測しているアメダスの過去データから得られる客観的 事実を明らかにすることを、この研究の目的にした。

行った解析
1. 日本全国および地域別の気温、年降水量の経年変化傾向と区間推定
2. Gumbelモデルの使用による、極端な降水量の変化傾向
3. 気温と降水量の変化傾向の相関解析
4. 気温の時系列変動が短時間降水量に及ぼす影響力についての因果律解析

結果
1. 気温
平均気温は全国的に上昇傾向が見られた。日最高気温は上昇傾向がやや小さ く、逆に日最低気温は上昇傾向が顕著であった。これにより、日気温較差が減 少する傾向があることが分かった。
2. 降水量
年降水量は全国的に減少傾向が見られた。特に太平洋側では顕著であった。 日降水量、時間降水量の最大値については、増加の傾向が見られ、その傾向は 南の地方ほど顕著であった。これにより、年全体での降水量は減少の傾向があ るものの、短時間に集中した降水現象は増加していることが分かった。
3. 気温と降水量の関連
気温と年降水量との関連性はほとんどなかった。しかし、気温と日降水量最大 値および時間降水量最大値については、因果関係が得られた地点がいくつかあ り、その地点は時間降水量最大値においての西日本以南に集中していた。
このことから、気温の上昇傾向は、短時間の集中的降雨について、西日本を中 心に影響を及ぼす原因になることが分かった。