トップページ >気象の教室>集中豪雨

集中豪雨(Torrential rainfall)



1.近年の日本の豪雨(2006年記述)

 2004年夏,新潟・福島・福井の各県が,集中豪雨に襲われ,大きな災害に見舞われました。集中豪雨は,一度起これば,街を水に沈め,家を押し流し,財産を泥に埋め,時には尊い人命すら奪っていきます。そして,そのような災禍は,決して他人事ではないのです。ここ九州地方も,毎年のように豪雨災害に遭っています。
 本研究室では,こういった豪雨がなぜ起こるのか,どのような条件が揃えば豪雨となるのかについても研究を進めています。

2.研究

 「積乱雲」という雲は,激しい雨や雷をもたらし,いわば豪雨の「実行犯」です。ところが,ひとつひとつの積乱雲の寿命は,わずか1時間程度です。つまり,ひとつの積乱雲が集中豪雨をもたらすことは難しいことになってしまいます。
 現実には,「積乱雲の集団(=降水システム)」が豪雨を引き起こします。ひとつの積乱雲が寿命を終えて消滅したとしても,その代わりに,次々に新しい積乱雲が発生し,結果として,長い時間にわたって同じ場所に降水システムが居座り続けるのです。
 積乱雲の発生には,上昇気流が必要です。上昇気流を引き起こして積乱雲をつくるメカニズムは,「地形によるもの(=地形性降水)」と,「地形があまり関係しないもの(=非地形性降水)」のふたつに大別されます。

①地形性豪雨

 山に風が当たると,斜面に沿って上昇気流が生じます。すると,(必ずではありませんが)積乱雲が発生できます。このようにして作られた雲による雨を「地形性降水」といいます。山は動きませんから,風が変化しない限り,同じところに次々と雲が発生し,大雨をもたらすことになるのです。
 2003年7月20日未明,南部九州を豪雨が襲いました。この事例に関して,私たちは,この「地形性降水」と「非地形性降水」が重なり,豪雨となったのではないかと考えています。

torrential-rainfall1

図:2003年7月20日03時の赤外雲画像

②非地形性豪雨

 地形の影響が及ばないような海上や,山から遠く離れた平野でも,降水システムは発達します。そして,そのシステムが大雨をもたらすことも,よくあることです。
 しかし,地形という明らかな原因が見あたらないため,何が原因で上昇気流が発生するのか,どのようにシステムが形作られるかには,いまだに多くの謎が残されています。