気象の教室



対流圏とは地表から高度約10 kmまでの大気最下層のことを指し,私たちの最も近いところに存在している大気層です。そこでは,大気が海洋と相互作用したり,地形から影響を受けたりすることにより,複雑な大気運動が生じています。さらにそのような相互作用に加えて,対流圏内に豊富に存在する水蒸気の影響によって雲を生じ,生じた雲から降水が起こるので,流体本来の持つ複雑さを加えて,そこで生じる大気現象は大変複雑なものになります。

複雑な過程の結果,対流圏での大気現象は多種多様なものとなって我々の前に現れています。これらたくさんの大気現象を,空間スケールと時間スケールに注目して表に並べたものが,下のスケールダイアグラムになります。つむじ風のような非常に小さいものから,気候変動といった私たちのライフサイクルほどの時間スケールのものまで,非常に幅広く存在していることがわかります。

我々の研究室では,研究対象として竜巻や個々の積乱雲のスケールの現象(20〜200 km)から,移動性高低気圧波や台風,梅雨前線(200〜2000 km),そしてテレコネクションや地球全球に及ぶ大気大循環(約10000 km)までの広い対流圏大気現象を,様々な視点から研究しています.ここでは,我々の研究している大気現象や,その予報技術などの手法について,各トピックに分けて紹介していきます。

scale_diagram

図:対流圏で起こっている現象をその大きさ(空間スケール)、発生して いる時間(時間スケール)に分け、それぞれのスケール軸上にプロットしたス ケールダイアグラム。図の直線上に現象が並んでいることから、空間スケール の大きな(小さな)現象は大きな(小さな)時間スケールを持っていることが わかる。つむじ風(数秒)から気候変動(数十年)まで様々なスケールの現象が混在していることがわかる。

暖かい雨・冷たい雨

竜巻

前線

集中豪雨

メソ対流系

台風

傾圧波(温帯低気圧)

梅雨

ブロッキング

テレコネクション

モンスーン

気候変動

数値予報