トップページ >研究室について>中・高緯度の大気

傾圧波と低周波変動の相互作用(テレコネクションパターンの成因)



冬季北半球中高緯度対流圏において、気圧・気温などの物理量が空間的に離れた複数の場所で互いに相関を持ちつつ変動する『テレコネクション(teleconnection)』という現象があります.これは低周波変動の一つです.そしてその地理的に固定された循環偏差のパターンを『テレコネクションパターン』と呼びます.代表的なものとして,北大西洋振動(North Atlantic Oscillation; NAO【図1】)や太平洋-北アメリカパターン(Pacific-North American Pattern; PNA【図2】)などが挙げられます.これは1ヶ月からそれ以上の周期を持つため,時間・空間スケールが大きく,気候へ大きな影響を与える重要な現象です.異常気象とも密接に関係しています.


NAO

図1:NAO.北半球を北極から見た図.赤と青の部分の物理量がシーソーのように変動する.


PNA

図2:PNA.図1と同様.

テレコネクションパターンの成因について,今までにいくつかの解釈がなされてきました.そして傾圧波(移動性高低気圧)がテレコネクションパターンの形成や持続に重要であることがわかっています.そこで私たちは数値モデル内で傾圧波を消した世界を作り出し,解析しています.そして傾圧波がテレコネクションパターンの形成にどのような影響を及ぼすのかを明らかにしていきたいと考えています.


with-baro

図3:傾圧波がある場合のテレコネクションパターン.(500 hPaにおけるEOF第一モードの流線関数)



no-baro

図4:傾圧波がない場合のテレコネクションパターン.(500 hPaにおけるEOF第一モードの流線関数)



文章・図:山下はづき